福島だけでなく東京の放射能汚染いまも危険なレベル

福島だけでなく東京の放射能汚染いまも危険なレベル
日本政府は東京2020を「被ばくオリンピック」にする

2018年8月6日

私たちは、福島の原発事故からの避難者とその支援者による団体「Go West Come West!!!(ゴーウェストカムウェスト)」です。アメリカによる原子爆弾の投下から73周年になるこの記念の日に、広島を訪問しておられるすべての方々に連帯の挨拶を送ります。

ヒロシマは決して過去の物語ではありません

日本政府による過小評価されたデータでさえ、福島第一原子力発電所の事故で、広島に落とされた原子力爆弾が放出したセシウム137の168倍もの量のセシウム137が放出されたことを示しています。広島に降り注いだ放射性降下物(「死の灰」)のおよそ168倍です。
総理大臣の安倍晋三は、「健康に対する問題(福島事故の)は、今までも、現在も、これからも全くないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います」と宣言しました。この主張は、広島の原子力爆弾の「死の灰」による健康被害はなかったと言っているのに等しいです。まったく根拠のない主張であり、はっきり嘘です。

福島原発事故は、まだ収束していません

原発事故は今も続いています。毎日毎日、今この瞬間にも、高濃度の放射性物質が原子炉建屋の上からも下からも漏れ続けています。空気、水、土、海、食物など人が生きる基本となるすべてが、この原発事故の放射能によって、今もなお深刻に汚染されています。福島だけではなく東京も含む東日本全域が汚染されています。
最近、福島の復興を担当する中心的人物4人が次々と比較的若くして亡くなりました。元復興大臣、元復興副大臣、元環境大臣政務官、そして福島県浪江町の現職の町長です。いまこそ私たちは真実を直視する必要があります。

●政府がしていること――それは隠蔽です

日本政府、東京電力(TEPCO)、支配的マスメディアは、ありとあらゆる力を行使し、福島原発事故の真相を隠ぺいしようとしています。事故の責任を取らないこと、甚大な健康被害に対する賠償金を支払わないことが目的です。

●政府は「放射線管理区域」の4倍も汚染された地域へ原発事故の避難者を帰還させています

原子炉施設や放射線医療施設などで3ヵ月に1.3ミリ・シーベルト(mSv)(5.2mSv/年)または40,000bq/m2を超える恐れのある区域は、「放射線管理区域」として指定されています。そこへの立ち入りは厳しく制限されています。子供たちが立ち入ることや飲食は禁止されています。
しかし、現在、日本政府は、「放射線管理区域」指定レベルのおよそ4倍、年間20ミリ・シーベルト(20mSv/y)までの汚染地域へ人々が帰還し居住するように促しています。

●政府は福島事故による健康被害を一切否定しています

福島県によると、これまでに36万人の子供の人口に対し、209人もの子供が小児甲状腺がんと診断されています。通常、放射能の影響がない場合、小児甲状腺がんの発症率は極めて稀で、年間でおよそ100万人に1人です。しかし、政府は放射能との関連性を否定しています。放射能による被ばく(特に内部被ばく)は、ガンや白血病だけでなく、血管、心筋、脳神経細胞など様々な形で人間の主要な臓器の細胞の壊死または細胞の損傷を引き起こします。
福島原発事故以降、心筋梗塞心不全、突然死、脳卒中アルツハイマー病の急激な増加が報告されています。多くの避難者の家族、友人、親類、知人が、福島原発事故によって病に倒れています。その人数はなおも増えています。

●政府は「福島は安全」というイメージ作りのために2020年の東京オリンピックを利用しようとしています

日本政府は、オリンピックを利用して真実を隠ぺいしようとしています。政府は、多額の資金を使って「放射能は安全」という安全神話を国内外で宣伝し、福島はもう完全に安全であると人々に信じこませようとしています。

●政府はオリンピック選手・訪問者に福島産食材を食べさせようとしています

また、政府は、選手や海外からの訪問者の食事に福島県産の食材を幅広く取り入れる計画をしています。(読売新聞 2018年7月24日付)。
福島県など放射能汚染度の高い地域の競技場や施設で、いくつかの競技を行うことも予定しています(特に野球とソフトボール)。
こうしたことによって、選手や観客が空中に浮遊する不溶性放射性粒子を吸入し深刻な健康被害が出ることが懸念されます。

●汚染された放射性廃棄物を日本全国の公共事業で再利用する

政府の除染作業によって、高濃度に放射能汚染された2200万トンもの「放射性廃棄物」のフレコンバックの山ができました。現在、政府はこの汚染された土などを公共事業で再利用し、放射能汚染物質を全国にバラまこうとしています。

●政府はトリチウム汚染水を海洋廃棄しようとしています

政府と東京電力(TEPCO)は、事故を起こした福島原子力発電所の敷地内のタンクに貯蔵している、トリチウム汚染水100万トン以上を海へ放出しようとしています。トリチウムは、水素の放射性同位元素で、水素としてふるまい、体内のあらゆる部位に入り込み大変危険です。DNA、ゲノム、タンパク質、酵素、脂肪、脳組織などに損傷を及ぼします。
海に廃棄しようとしているトリチウムの量は、およそ1~3ペタベクレル(10の15乗Bq)と推定されています。これは、福島事故前に、日本にあったすべての原子力発電所が1年間に放出していた総量(5年間平均で0.38PBq)の3~8年分に相当します。この計画が実行に移されたら、太平洋、魚や海洋生物、海の生態系、さらには空気と雨が放射能に汚染されることは避けられません。

●このような政府の危険な政策に対して立ち上がりましょう。共に声をあげましょう。

 関心を持たれた方、私たちの連絡先は、次のとおりです。
Website: https://www.gowest-comewest.net/
E-mail: gowest.comewest@gmail.com